近年世界中で注目を集めている「ブラックジンジャー」というタイ原産の植物があります。
ブラックジンジャーには、様々な健康上の問題を対処することが可能です。
特に脂肪に関する効果が知られていますが、他にもたくさんの効果に期待できます。
本記事では、ブラックジンジャーに期待できる効果について徹底解説していきます。
ブラックジンジャーに期待できる効果を知り、積極的に日常生活にブラックジンジャーを取り入れてみましょう。
- ブラックジンジャーの効果について
- ブラックジンジャーの効果の要となる成分
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ブラックジンジャーの驚きの効果とは?
ブラックジンジャー(黒しょうが)は、タイ原産の植物で、幅広い効果があるとして注目されています。
ブラックジンジャーが持つ効果は、主にブラックジンジャーの主成分である「ポリメトキシフラボノイド」によるものです。
ブラックジンジャーに含まれるポリメトキシフラボノイドは、以下の図の通りです。
全部で11種類のメトキシフラボノイドによって、ブラックジンジャーを摂取することで様々な効果を実感できます。
ブラックジンジャーに期待できる効果は、主に以下の通りです。
- 抗肥満作用
- 抗アレルギー作用
- 抗炎症作用
- 血管保護作用
- 男性機能の向上
- 運動機能の向上
- 高認知症作用
上記の効果について、詳しく解説していきます。
抗肥満作用
ブラックジンジャーに含まれるメトキシフラボノイドは、脂肪分解酵素であるHSL(ホルモン感受性リバーゼ)などの発言上昇によって、脂肪細胞の分解を促進することが出来ます。
そのため、脂肪の肥大化を防ぐことができ、太ることを防ぐことが可能です。(※1)
また、腹部の脂肪や血中の中性脂肪の燃焼にも役立ちます。
臨床試験では、メタボリックシンドロームではないBMIが24~30 kg/㎡の男女に対してブラックジンジャー由来のポリメトキシフラボンを12週間続けて摂取させました。
その結果、内臓脂肪が4.3㎠と皮下脂肪が9.5㎠減少したという結果が出ています。(※2)
抗アレルギー作用
ブラックジンジャーに含まれるメトキシフラボノイドは、花粉症などのアレルギー反応を強く抑制する効果があります。
花粉症の代表的なI型アレルギーの細胞モデルとして汎用されるラット好塩基球性白血病細胞株であるRBL-2H3細胞にて研究を行われました。
研究結果によると、メトキシフラボノイドによる強い脱顆粒抑制作用が確認されています。(※3)
抗炎症作用
ブラックジンジャーに含まれるメトキシフラボノイドには、抗炎症効果があります。
メトキシフラボノイドは、リポ多糖(LPS)によって炎症が引き起こされたマクロファージ様細胞株RAW264.7において、一酸化窒素(NO)の産生を抑制したことが研究によって明らかです。(※4)
そのため、炎症を抑制することに繋がります。
アレルギーなどによる炎症を抑えることが出来るので、近年ブラックジンジャーのアレルギーによる炎症を抑制するための研究が進められています。
血管保護作用
ブラックジンジャーのメトキシフラボノイドは、ヒト臍帯静脈内皮細胞を用いたin vitro 試験系で単球接着抑制作用や細胞内における活性酸素の産生抑制作用、eNOS mRNA発現促進作用などを示しています。(※5)
また、ラットによる研究では、ラットから摘出した胸部大動脈リングに直接メトキシフラボノイドを作用させることで、弛緩作用が見られました。(※6)
したがって、ブラックジンジャー由来のメトキシフラボノイドには、血管機能の維持や改善効果が期待できます。
男性機能の向上
男性の勃起力には、海綿体の存在は必要不可欠です。
そんな海綿体に対して、メトキシフラボノイドはL型Ca2+チャネルを阻害してCa2+の流入を誘導することが分かっています。
その結果、男性機能が向上するという研究結果が出ています。(※7)
また、マウスの清掃主要下部であるI-10において、メトキシフラボノイドはテストステロンの産生やプロゲステロン分泌量を濃度依存的に増加させることが研究によって明らかです。(※8)
さらに、マウスの肺由来PDE5の酵素活性をメトキシフラボノイドが抑制することが研究によって分かっています。(※9)
PDE阻害は、ED治療薬でも行われていることで知られており、勃起不全(ED)の改善に繋がります。
したがって、メトキシフラボノイドは衰えた男性機能を向上させるのに役立つ成分です。
運動機能の向上
タイの中高年齢者を対象に、プラセボ群と試験食品摂取群にランダムに割り付けした8週間の臨床試験が実施されました。
臨床試験では、ブラックジンジャー由来のメトキシフラボノイドを1.89mg / 日を連続摂取し、8週間後に6分間の歩行テストを行っています。
臨床試験の結果、加齢によって衰えた歩行能力が向上したことが明らかになりました。(※10)
また、ブラックジンジャー由来のメトキシフラボノイドは、加齢によって低下する脚の筋力に作用することで、中高年の方の歩く力を維持することが報告されています。
抗認知症作用
ブラックジンジャー由来のメトキシフラボノイドは、アミロイドβの生成に関与するタンパク質分解酵素であるBASE1を阻害します。
アミロイドβとは、脳内で生成されるたんぱく質の一種です。
BASE1を阻害することで、アミロイドβの産生が抑制されるので、神経保護に繋がります。
また、メトキシフラボノイドは、海馬での長期記憶形成に重要な役割を担うCRE依存的転写を活性化させることが可能です。(※11)
したがって、認知症を抑制することが出来ます。
まとめ
ブラックジンジャーの主成分であるメトキシフラボノイドには、非常に多くの効果が期待できます。
そして、紹介したブラックジンジャーの効果は、どれも研究によって明らかな結果が出ており、ブラックジンジャーは世界中から注目されてる植物です。
また、ブラックジンジャー由来のメトキシフラボノイドに期待できる効果は、健康効果だけではなく、精力効果などにも期待できます。
ブラックジンジャーには幅広い効果に期待できることから、健康サプリメントや精力サプリメントなどにブラックジンジャーが採用されるケースが増えています。
そのため、ブラックジンジャーを摂取したい時は、ブラックジンジャーが配合されているサプリメントを活用することで、効率的にブラックジンジャーを摂取することが可能です。
日々の生活にブラックジンジャーを取り入れ、より健康的な生活を送りましょう。
参考文献
(※1)Suppression of adipocyte hypertrophy by polymethoxyflavonoids isolated from Kaempferia parviflora.
(※2)Effects of single oral intake of Kaempferia parviflora extract on energy metabolism -a randomized double-blind crossover study-
(※3) Identification and evaluation of anti-inflammatory compounds from Kaempferia parviflora.
(※4)Anti-inflammatory mechanism of Kaempferia parviflora in murine macrophage cells (RAW 264.7) and in experimental animals.
(※5)Inhibitory effects of Kaempferia parviflora extract on monocyte adhesion and cellular reactive oxygen species production in human umbilical vein endothelial cells
(※6)Increased vascular eNOS and cystathionine-γ-lyase protein after 6 weeks oral administration of 3, 5, 7, 3′, 4′-pentamethoxyflavone to middle-aged male rats
(※7)Relaxant mechanisms of 3, 5, 7, 3′, 4′-pentamethoxyflavone on isolated human cavernosum
(※8)Effect of Kaempferia parviflora extract and its polymethoxyflavonoid components on testosterone production in mouse testis-derived tumour cells
(※9)Kaempferia parviflora, a plant used in traditional medicine to enhance sexual performance contains large amounts of low affinity PDE5 inhibitors
(※10)Positive Modulation Effect of 8-Week Consumption of Kaempferia parviflora on Health-Related Physical Fitness and Oxidative Status in Healthy Elderly Volunteers
(※11)Effect of methoxyflavones contained in Kaempferia parviflora on CRE-mediated transcription in PC12D cells